こんにちは。 miiveで開発責任者をしているdaichiです。
みなさんコンビニで買い物をする時に、カードでタッチ決済をしたことはありますか?
数秒で終わるカード決済ですが、実はその数秒の間に複数のプレイヤーが連携して「この支払いを成立させる」ための処理が走っています。 そしてもうひとつ、普段あまり意識されないのが「決済の確定は数日後に行われる」という点です。
miiveは、Visaの加盟店で使えるプリペイドカードを提供しています。 そのため支払いの瞬間に残高が反映されますが、最終的な確定はもう少し後で行われます。
今回はこの「数秒の裏側」と「数日後の確定」をつなぐ流れを、miiveの視点で図解していきます。
1. カード決済の登場人物
カード決済は「利用者」と「お店」だけで完結しているように見えますが、裏側ではいくつかの役割が登場します。
miiveの場合、ざっくり次の4者で捉えると理解しやすいです。
miiveカード利用者(従業員)
Visa加盟店(お店・ECサイト)
Visaネットワーク
miive(カード発行体:利用可否の判定/残高の管理)
※実際のカード決済は、ここで挙げた以外にも複数の役割が関わります。本記事では全体像をつかむことを優先し、説明に必要な登場人物だけに絞っています。
2. 決済は「数秒で成立」して「数日後に確定」する
カード決済は大きく分けると オーソリ/クリアリング/セトルメント の3段階で進みます。 ポイントは、店頭で「決済完了」に見えるタイミングと、金額が「確定」するタイミングが違うことです。
オーソリ(Authorization): その場で「このカードで、この金額の支払いを通していいか?」を確認する処理です。 OKが返ってくると、レジでは「決済完了」になります(体感はここで終わります)。
クリアリング(Clearing): 数日後に加盟店から「この取引が最終的にこういう金額でした」という売上データが届き、ここで金額が確定します。
セトルメント(Settlement): 確定した売上にもとづいて、加盟店側への支払いが行われます。
全体像を時系列で見ると、こうなります。
sequenceDiagram participant U as miiveカード利用者(従業員) participant M as Visa加盟店(お店・ECサイト) participant V as Visaネットワーク participant I as miive U->>M: 支払い(タッチ/差し込み/オンライン) M->>V: オーソリ要求(この支払いOK?) V->>I: オーソリ要求 I-->>V: 承認/拒否 V-->>M: 承認/拒否 M-->>U: 支払い完了(体感はここで終わる) Note over M,I: 数日後(タイムラグあり) M->>V: クリアリング(売上データ) V->>I: クリアリング(売上データ) Note over M,I: 精算(加盟店への支払い)
3. クレジットカードとプリペイドカードの違い
クレジットカードとプリペイドカードは、見た目はどちらも「カードで支払う」体験ですが、根本の考え方が少し違います。
- クレジットカード:後払い。いま使えるか(与信枠)を確認し、利用分は後日まとめて請求される
- プリペイドカード:前払い。事前に用意された残高の範囲で使い、使った分がその場で残高に反映される
ただし、ここで誤解されがちなのが「プリペイドはその場で残高が減る=その瞬間にすべてが確定している」という点です。
実際には、カード決済としての処理の流れ自体は共通で、どちらも
- 支払いの瞬間に オーソリ(承認) が走り(支払いを成立させる)
- 数日後に クリアリング(売上確定) が届いて(最終的な金額が確定する)
- その結果にもとづいて精算が進む
という順番で動きます。
違いが出るのは、この共通の流れの中で、利用者に「お金(残高/請求)がどう見えるか」です。
- クレジットカード:オーソリは枠の確認(確保)。請求は後日まとめて
- プリペイドカード:オーソリの時点で残高に反映。ただし最終確定は後日のクリアリング
クレジットカード(請求は後日まとめて)
sequenceDiagram autonumber participant U as 利用者 participant M as Visa加盟店(お店・ECサイト) participant V as Visaネットワーク participant I as 発行側(承認・売上確定) Note over U,I: クレジットカード(請求は後日まとめて) U->>M: 支払い M->>V: オーソリ V->>I: オーソリ I-->>V: 承認 V-->>M: 承認 Note over U: この時点では「請求」は未確定 Note over M,I: 数日後 M->>V: クリアリング(売上データ) V->>I: クリアリング(売上確定) Note over U: 締め日にまとめて請求
プリペイドカード(オーソリで残高に反映)
sequenceDiagram autonumber participant U as miiveカード利用者(従業員) participant M as Visa加盟店(お店・ECサイト) participant V as Visaネットワーク participant I as miive Note over U,I: プリペイド(miive)(オーソリで残高に反映) U->>M: 支払い M->>V: オーソリ V->>I: オーソリ I-->>V: 承認(残高を反映) V-->>M: 承認 Note over U: 使った分がすぐに残高へ反映 Note over M,I: 数日後 M->>V: クリアリング(売上データ) V->>I: クリアリング(売上確定) Note over U: 差があれば最終確定に合わせて調整
そして miiveはプリペイドカードなので、支払いの瞬間(オーソリの承認)に残高へ反映されます。
一方で、金額の最終確定は後日のクリアリングで行われるため、オーソリの時点と最終確定の間でズレが生じるケースもあります。
次のセクションでは、このズレも含めて「決済後に起こりうること」を簡単に整理します。
4. プリペイドならではの特徴(残高はすぐ動くが、確定は後から)
miiveはプリペイドカードなので、オーソリ(承認)が通った瞬間に 残高がすぐに反映されます。
これは体験として分かりやすく便利な一方で、カード決済の仕組み上 「確定は数日後」 という前提は変わりません。
この “リアルタイムに見える残高” と “後から確定する売上” の間に、利用者が「あれ?」と思いやすいポイントが生まれます。
4-1. 取り消し(確定前のキャンセル)
支払い直後にキャンセルになった場合など、売上確定(クリアリング)に進む前に取引が取り消されることがあります。
プリペイドの場合は、オーソリでいったん減った分が 残高に戻る 形になります。
※これはあくまで代表例です。加盟店側の処理タイミングなどによって、反映のされ方やタイミングが前後することがあります。
4-2. 返金(確定後の返金)
返品などで代金を戻す必要がある場合、いったん売上が確定したあとに 返金として処理されることがあります。
このため、決済直後ではなく 少し時間が経ってから残高に反映されるケースがあります。
※返金にもいくつかパターンがあり、加盟店側の処理(返品の確定や返金データの送信)によって反映タイミングが変わります。ここでは典型例として説明しています。
4-3. オーソリとクリアリングのズレ(差額調整)
決済の最終確定はクリアリングなので、ケースによっては オーソリ時点の金額と確定金額が一致しない ことがあります。
オーソリは「この支払いを通してよいか」を即時に判定するための処理で、ここでは 仮の金額 でいったん成立させます。
一方、クリアリングは数日後に届く「売上の最終結果」なので、ここで 最終的な金額が確定 します。
たとえば外貨決済では、オーソリからクリアリングまでの間に為替レートが動き、最終的な確定額が変わることがあります。
この場合は、確定した金額に合わせて差額が調整されます。
利用者の見え方としては、「いったん減った残高に、後日差額だけ追加で反映される(または戻る)」 イメージです。
たとえば、こんな流れです。
sequenceDiagram participant U as miiveカード利用者(残高) participant I as miive rect rgb(230, 245, 255) Note over U,I: オーソリ:1,000円(支払い成立) I->>U: 残高に反映(-1,000円) end rect rgb(255, 245, 230) Note over U,I: 数日後 Note over U,I: クリアリング:1,050円(売上確定) I->>U: 差額を調整(-50円) end
4-4. (補足)加盟店からデータが届かないケースもある(一定期間後に解消)
カード決済は本来、オーソリのあとにクリアリング(売上確定)が届いて完了します。 ただし加盟店側の事情などで、クリアリング(確定データ)や、取り消し/返金に相当するデータが送られてこないケースもまれにあります。
このままだと、オーソリでいったん減った残高が「宙に浮いたまま」になってしまうため、miiveでは 購入日から一定期間(例:45日) を待っても確定や取り消しのデータが届かない場合、システム的に取引を解消(残高を戻す) といった対応を行うことがあります。
sequenceDiagram participant U as miiveカード利用者(残高) participant M as Visa加盟店(お店・ECサイト) participant I as miive rect rgb(230, 245, 255) Note over U,I: 決済時(オーソリ) U->>M: 支払い M->>I: オーソリ要求 I-->>M: 承認 I->>U: 残高に反映(いったん減算) end rect rgb(255, 245, 230) Note over M,I: 通常は数日後にクリアリングが届く Note over M,I: まれにデータ未着 Note over M,I: (確定も取り消しも来ない) end rect rgb(230, 255, 230) Note over U,I: 一定期間(例:45日)経過 I->>U: 取引を解消(残高を戻す) Note over U,I: セーフティネット(未確定が残り続けないように) end
まとめ:決済は一日にしてならず
カードをタッチした瞬間、私たちは「決済が終わった」と感じます。 でも実際には、裏側では次のようなリレーが動いています。
- 数秒の間に オーソリ(承認)が走り、支払いが成立する
- 数日後に クリアリング(売上確定)が届き、金額が確定する
- その結果にもとづいて セトルメント(Settlement) が進む(加盟店への支払い)
sequenceDiagram participant U as miiveカード利用者(従業員) participant M as Visa加盟店(お店・ECサイト) participant V as Visaネットワーク participant I as miive rect rgb(230, 245, 255) Note over U,I: 🕐 数秒:支払いの成立 U->>M: 支払い(タッチ決済) M->>V: オーソリ要求 V->>I: オーソリ要求 I-->>V: 承認(残高に反映) V-->>M: 承認 M-->>U: 支払い完了 end rect rgb(255, 245, 230) Note over U,I: 📅 数日後:金額の確定 M->>V: クリアリング(売上データ) V->>I: クリアリング(売上確定) Note over I: 差額があれば調整 end rect rgb(230, 255, 230) Note over M,I: 💰 セトルメント(加盟店への支払い) end
miiveはプリペイドカードなので、支払いの瞬間に残高へ反映されます。 それでも「最終確定は後日」というカード決済の前提は変わらず、取り消し・返金・金額のズレといった挙動が起こり得ます。
普段は見えない世界ですが、この構造を知っておくと「なぜこう見えるのか」が少しクリアになるはずです。 今後もmiiveのプロダクトを支える仕組みを、できるだけわかりやすく紹介していきます。
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